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column 2026.04.10 約8分

【タイ生活と法律】子どもの学校、どう選ぶ?|インター校・日本人学校・公立校の法的な違いとビザの話

タイで暮らす駐在員・帯同家族向けに、インター校・日本人学校・公立校の法的な位置付け、EDビザの仕組み、帰国後の編入問題を2026年最新版で解説します。

【タイ生活と法律】シリーズ第7回です。前回は医療・保険・病院選びをお届けしました。今回のテーマは「子どもの学校」です。タイへの赴任が決まると、住まいと同じくらい気になるのが子どもの教育のこと。「インター校ってどういう学校?」「日本人学校との違いは?」「ビザはどうなる?」——。学校選びの前に、法律上の仕組みを整理しておきましょう。


1. タイの教育制度、まずは全体像

タイの教育制度の法的な基盤は、**国家教育法(National Education Act B.E. 2542 / 1999年)**です。

項目内容
学制6-3-3制(小学校6年+中学校3年+高校3年)
義務教育9年間(小学校6年+中学校3年、6歳〜15歳)
義務教育の対象タイ国民に対する義務
外国人の子ども法律上の就学義務はない
無償教育基礎教育12年間はタイ国民に無償提供

ポイントは、タイの義務教育はタイ国民に対する義務であり、外国人の子どもには法律上の就学義務がないということです。ただし、これは「通えない」という意味ではありません。


2. 外国人の子どもの学校、4つの選択肢

タイで暮らす日本人家庭の子どもの学校は、大きく分けて4つの選択肢があります。

学校の種類法的な位置付け教育言語学費の目安
インター校私立学校法に基づく私立学校英語(+タイ語必修)年間30万〜100万バーツ以上
日本人学校タイの私立学校 + 日本の在外教育施設日本語年間約20万バーツ前後
タイの公立校教育省管轄の公立学校タイ語無料
補習授業校週末のみの補習教育日本語各校による

どの学校を選ぶかは家族の方針次第です。ただし、それぞれの法的な位置付けを理解しておくと、学校選びの判断がしやすくなります。


3. インター校 — 法律上どういう存在?

法的な位置付け

インターナショナルスクールは、**私立学校法(Private School Act B.E. 2550 / 2007年)に基づく私立学校の一類型です。管轄は教育省の私学教育委員会事務局(OPEC)**で、教育省のライセンスがなければ運営できません。

教育省の定義では、インター校とは「教育省のカリキュラムとは異なる国際カリキュラムを提供し、外国語を教育言語とし、国籍・宗教を問わず生徒を受け入れる教育機関」とされています。

カリキュラムと認証

インター校のカリキュラムは学校によって異なります。

カリキュラム特徴
アメリカ式米国の教育課程に準拠
イギリス式(IGCSE / A-Level)英国の試験制度に準拠
IB(国際バカロレア)国際標準の教育プログラム
その他(オーストラリア式等)各国の教育課程に準拠

加えて、多くのインター校は**国際認証(WASC、CIS、IB等)**を取得しています。この国際認証は、学校の教育水準の指標であると同時に、帰国後の編入手続きにも影響するため、学校選びの際に確認しておきたいポイントです。

タイ語・タイ文化の授業は義務

インター校であっても、タイ語およびタイ文化に関する授業が義務とされています。タイ人生徒にはタイ語の授業が必修であり、外国人生徒にもタイ文化の授業が求められます。

インター校の数と学費

OPECの統計によると、2024年時点でタイ国内のインター校は249校、生徒数は約77,700人です。バンコク、チェンマイ、プーケットなどに集中しています。

学費は学校・学年により大幅に異なりますが、年間30万〜100万バーツ以上が一般的な目安です。入学金・施設費・スクールバス代などが別途かかることも多く、総額は学費以上になる点に注意が必要です。

学校選びの基本 — ライセンスを確認する

インター校を選ぶ際は、教育省のライセンス番号を確認することが基本です。ライセンスを持たない学校は法的に認められた教育機関ではなく、卒業証書の有効性やビザの手続きに支障が生じる可能性があります。


4. 日本人学校 — 日本の義務教育を海外で

バンコクとシラチャの2校

タイには、**バンコク日本人学校(泰日協会学校バンコク校)シラチャ日本人学校(泰日協会学校シラチャ校)**の2校があります。バンコク校は1956年設立で、世界最古の日本人学校の一つです。

法的な位置付け

日本人学校は、タイの法律上は私立学校として登録されています。同時に、日本の文部科学省が認定する在外教育施設でもあります。この二重の位置付けにより、日本の学習指導要領に準拠した教育をタイで受けることができます。

卒業証書は日本と同等

日本人学校の卒業証書は、日本の小学校・中学校の卒業証書と同等に扱われます。帰国後の編入もスムーズです。

対象は日本国籍の児童・生徒

入学資格は原則として日本国籍を持ち、日本語で授業を受けられる児童・生徒です。小中学校課程のみで、高校課程はありません。


5. 公立校も入れるようになった — 外国籍の子どもの受入れ

2005年の閣議決定と制度化

タイでは2005年7月5日の閣議決定により、国籍を問わずタイに居住する子どもに公立校での基礎教育を受ける権利が認められました。さらに2025年学年度からは、教育省が外国籍の子どもの公立校入学を全国で認める告示を発出し(2026年1月30日官報掲載)、従来の地域や教育レベルの制限が撤廃されています。

学費は無料、ただしタイ語が壁

公立校の学費は無料です。ただし、授業はタイ語で行われるため、タイ語能力が事実上の入学条件になります。一部の公立校には英語で授業を行う**EP(English Program)**がありますが、数は限られています。

日本人の子どもが公立校に通うケースは少数ですが、タイ語やタイ文化の習得には有効な選択肢です。


6. 補習授業校 — インター校+日本語の維持

バンコクやチェンマイなどには、**日本語補習授業校(補習校)**があります。週末に日本語・国語・算数などの授業を行う施設で、インター校に通いながら日本語力を維持したい家庭が利用しています。


7. 子どものビザ — EDビザの仕組み

EDビザ(Non-Immigrant ED)とは

タイの学校に通う外国人の子どもは、原則として**EDビザ(Non-Immigrant ED)**が必要です。Immigration Act B.E. 2522(1979年)に基づくビザで、学校の入学許可書を基にタイ大使館・領事館で申請します。

項目内容
初回有効期間90日間
延長タイ国内で1年ごとに延長可能(在学証明が必要)
必要書類パスポート(残存6か月以上)、入学許可証、教育省承認書(インター校の場合)等

保護者のビザとの関係

子どものビザは、保護者のビザと密接に関係します。

保護者の状況保護者のビザ子どものビザ
駐在員Non-Immigrant B(就労)Non-O(家族帯同)またはEDビザ
駐在員の配偶者Non-Immigrant O(家族帯同)Non-O(家族帯同)またはEDビザ
子どものみ留学Non-O(保護者ビザ)EDビザ

子どもがEDビザを取得している場合、保護者には**Non-Immigrant O(Guardian Visa)**が発給されることがあります。ただし、保護者がすでに就労ビザ(Non-B)を持っている場合は別途取得する必要はありません。

観光ビザ・Elite Visaでは通学不可

Tourist VisaやThailand Elite Visaでは、学校への通学はできません。 学校は、EDビザまたはそれに準ずる長期滞在ビザを持つ生徒のみを受け入れることができます。インター校の入学手続きの際にもビザの種類が確認されます。

多くのインター校は、ビザの手続きについてサポートを提供しています。学校選びの段階で、ビザサポートの有無を確認しておくと安心です。


8. 帰国後のこと — 卒業証書は日本で認められる?

日本人学校の場合

日本人学校(泰日協会学校)の卒業証書は、日本の小学校・中学校の卒業証書と同等に扱われます。帰国後の編入にあたって特別な手続きは基本的に不要です。

インター校の場合

インター校の卒業証書は、そのままでは日本の学校の卒業証書とは認められない場合があります。帰国時の編入については、各都道府県・市区町村の教育委員会が個別に判断します。

ポイント内容
国際認証の有無WASC・CIS等の認証を持つ学校の方がスムーズ
学年の対応日本の学年との対応が必要
事前確認帰国前に教育委員会に相談することが重要

帰国後の進路を見据えて、入学前に卒業証書の扱いについて確認しておくことを検討しておきたいところです。


9. まとめ — 3つのポイント

ポイント内容
① ライセンスを確認するインター校は教育省のライセンス番号を確認。ライセンスのない学校は要注意
② ビザはEDビザ子どもの通学にはEDビザが必要。Tourist Visa・Elite Visaでは通えない
③ 帰国後の編入を見据える日本人学校は卒業証書が日本と同等。インター校は国際認証の有無と教育委員会への事前相談が大切

子どもの教育は、家族にとって最も大切な決断の一つです。法的な仕組みを理解した上で、お子さんに合った学校を選んでいただければと思います。


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この記事は2026年4月時点の一般的な情報をまとめたものです。学校の入学条件・ビザの手続きは学校や状況により異なります。最新情報は各学校・教育省・入国管理局・在タイ日本大使館にご確認ください。本記事はタイの法制度に関する一般的な情報提供を目的としており、タイ法に基づく法的助言を構成するものではありません。具体的な案件については、タイの弁護士資格を有する専門家にご相談ください。当事務所では提携先JTJBのタイ人弁護士と連携して対応いたします。

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