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news 2026.03.30 約5分

【タイ生活と法律】ネット通販の関税、全品課税に|Shopee・Lazada・日本からの荷物はどうなる?

2026年1月1日から、タイへの輸入品は金額にかかわらず全品に関税とVATが課税されるようになりました。Shopeeや日本からの小包がどう変わるか、具体的な計算例とともにわかりやすく解説します。

当サイトではこれまで、タイに進出する日系企業向けの法務情報をお届けしてきましたが、今回は少し趣向を変えて、タイで暮らす日本人の日常に関わる法律の話題を取り上げます。駐在員の方はもちろん、ご家族や留学中の方、ロングステイの方にも役立つ内容です。今後「タイ生活と法律」シリーズとして、ビザ・賃貸・税金・運転免許など、暮らしに身近なテーマも順次お届けしていく予定ですので、ぜひお付き合いください。


最近、ShopeeやLazadaで海外出品者から買い物をしたとき、「あれ、前より値段が上がってる?」と感じたことはありませんか。あるいは、日本の家族から小包を送ってもらったら、郵便局で「関税を払ってください」と言われた、という経験をされた方もいるかもしれません。

これは気のせいではありません。2026年1月1日から、タイに届くすべての輸入品に関税とVATがかかるようになりました。


何が変わったの?

これまでタイでは、CIF価格(商品代金+保険+送料の合計)が1,500バーツ以下の輸入品は関税が免除されていました。ShopeeやLazadaで中国の出品者から安い商品を買っても、関税なしで届いていたのはこのルールのおかげです。

それが2026年1月1日から廃止され、1バーツの商品でも関税とVATが課税されるようになりました。

2025年12月31日まで2026年1月1日から
1,500バーツ以下の輸入品関税免除関税+VAT課税
1,500バーツ超の輸入品関税+VAT課税変わらず

※ 1,500バーツを超える商品はもともと課税対象でしたので、高額品には影響がありません。


いくら余計にかかるの?

関税率は商品の種類によって異なります。目安として:

  • 衣類・靴:約30%
  • バッグ・アクセサリー:約20%
  • 電子機器・ガジェット:10〜20%
  • 一般雑貨・日用品:10〜20%

さらに、関税を加えた金額に対して**VAT 7%**がかかります(少し複利的な計算になります)。

【計算例①】ShopeeでCIF 800バーツの服を購入した場合

  • 改正前:免税(1,500バーツ以下のため)→ 0バーツ追加
  • 改正後:関税 30%=240バーツ / VAT 7%=(800+240)×7%=約73バーツ
  • 合計の追加負担:約313バーツ(実質約39%の値上がり)

【計算例②】日本のAmazonでガジェットを購入・転送(CIF 1,000バーツ)

  • 改正前:免税(1,500バーツ以下)→ 0バーツ追加
  • 改正後:関税 10%=100バーツ / VAT 7%=(1,000+100)×7%=約77バーツ
  • 合計の追加負担:約177バーツ(実質約18%の値上がり)

関税率は「おおよその目安」です。正確な率は商品のHSコード(品目分類)によって変わりますので、タイ関税局のサイトまたはDHL MyGTSで確認することをおすすめします。


Shopee・Lazadaでの買い物はどうなる?

Shopee・Lazada・TikTok Shop・Temu・Sheinの主要5プラットフォームは、タイ関税局とMoU(覚書)を締結し、チェックアウト時に関税とVATを自動的に計算・徴収する仕組みを導入しています。

つまり、これらのプラットフォームで買い物するときは、支払い画面に関税とVATが含まれた金額が表示されるようになっています。到着後に追加請求される「サプライズ」は減るはずです。

ただし、プラットフォーム外の個人間取引や、上記以外の海外ECサイトから直接購入した場合は、荷物の到着後に関税局が査定し、別途支払いが必要になります。


日本から荷物を送ってもらうときは?

ご家族から食品や衣類を送ってもらう場合、国際郵便・宅配便のルートによって支払いタイミングが異なります。

  • DHLやFedExなどの国際宅配便:荷物の到着前後にSMSまたはメールで通知が届き、QRコードからオンラインで事前支払いが可能です。
  • Thailand Post(国際郵便・EMS):関税局が査定後、郵便局の窓口で受取時に支払うケースが多いです。
  • いずれも支払い完了後に税関レシートが発行されます。

「家族からのプレゼントにも関税がかかるの?」というご質問をよく受けます。原則として、個人への贈り物であっても課税対象となります。ただし、個人的な贈答品として免税になる場合もありますので、詳しくはタイ関税局(コールセンター1164)にお問い合わせください。


なぜこうなったの?

背景には、タイ国内の中小事業者を守りたいという政府の意図があります。関税のかからない海外からの安い商品がどんどん入ってきたことで、タイのお店や職人が苦しんでいたのです。

年間2.5億個以上、総額450億バーツを超える小包が免税で輸入されていたとされており、タイ政府はこの制度変更で年間約30億バーツの税収増を見込んでいます。EUやオーストラリアでも同様のルール変更が行われており、世界的な流れでもあります。


賢く使うためのヒント

  • タイ国内の出品者から買う:LazadaやShopeeでも「タイ国内発送」の出品者から買えば、国内取引として関税はかかりません。
  • まとめて送ってもらう:関税は1件ごとにかかるため、小分けに何度も送ってもらうより、まとめて1回で送ってもらう方が効率的です。
  • 事前に関税を調べる:DHLのMyGTSやタイ関税局のサイトで、購入前に概算の関税額を確認できます。
  • プラットフォーム経由を活用:Shopee・Lazadaなどは自動計算されるので、購入前に総額が把握できて安心です。

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本記事は2026年3月時点の一般的な情報をまとめたものです。関税率や手続きの詳細は商品の種類・輸送方法によって異なります。個別の事情については、タイ関税局(コールセンター1164)または専門家にお問い合わせください。当事務所では提携先JTJBのタイ人弁護士と連携して対応いたします。

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